2008-01-01から1年間の記事一覧

巻島です。 みなさま。今年1年、ありがとうございました。 といっても、下半期はまったく更新してこなかった状況ですが…… もしかしたら、いろいろなご心配をかけてしまっていたのかもしれません。管理人として説明する義務を怠ってきたことについては責めら…

「四方遊戯」(遠藤達哉/集英社)

遠藤達哉は、オイラの目の前に現れた、初めての同い年の漫画家だった。 もちろんオイラの目の届かないところでは、もっと前にデビューした同い年漫画家だっていただろう。あれから8年も経ってしまって、その程度のモノワカリはオイラも持つようになってしま…

「TISTA」2巻(遠藤達哉/集英社)

完結巻。 ぶっちゃけ打ち切りだったのですが、打ち切りとは思えないほどよくまとまっていると思う。というか畳みかけがすごい。 純粋な害意のせいで幼児期にトラウマを抱え、そのトラウマに導かれるまま修道騎士となり悪人を裁き続けるティスタ。ティスタに…

なんというか、8月まるっと一度も更新してませんでした。 どうもすいませんでした。 原因は7割方twiterです。 結局のところオイラの場合、誰かが見ているところで瞬間最大風速的な感情の盛り上がりをぽろっと吐き出せればそれで満ち足りてしまえるのかもし…

さよなら、トルネード 〜野茂英雄引退へ〜

この道をゆけば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる いきなり猪木の引退のときのポエムを引用してしまいましたが、MLBパイオニアとしての野茂英雄を語るにおいて、やはりこの詩のような感覚を抱…

「さよならピアノソナタ 女王様の歌合戦」(杉井光/メディアワークス 電撃文庫MAGAZINEプロローグ2(asin:B0012V1I16)収録)

実は、この話が収録されている電マガプロローグ2は、今年の2月に発売されたものでして。 で、一方、先日感想を書いたピアノソナタ2の発売は、3月10日。 なので本来ならば、こちらの感想から先に書くべきだったんですが。 相互に数ページほど読んでみて…

えー、突然ですがテーマを変えました。 っていうかまだ工事中なんですけどね(汗) 自分流に書き換ようとしていたのですが、いかんせんオイラ、CSS知識が薄い上にやることもとろくさいので、やたらに時間がかかるというか。なんでかなり見にくいところとかま…

「ぼくの村の話」全7巻(尾瀬あきら/講談社)

実はずっと6巻だけ見つからなくて探していたんですが、やっと見つかったので一気に読破。 成田空港建設問題をモチーフにした、「地元農民vs政府・国」を描いていくストーリー、なんですが。 あんまり軽い気持ちで「農民かわいそう、自民党政府は糞」という…

「さよならピアノソナタ」2巻(杉井光/メディアワークス)

出来のいいバンド小説読んでると、だんだん歌いたくなってくるのがクセモノですね。 駅のコンコースで手すりに腰かけながら読んでたんですが、ひとりごとのつもりで歌ってた即興自作鼻歌が以外に大きな声だったみたいで、人目を集めてしまったりして。ああ、…

ところで、サイドバーの非リンクの文字が真っ白になってしまって、一見して読めない現象が続いているんですが。 これ、どうにかならないんでしょうか。 というかウチだけなのかな。はてな全体、このテーマ全体ならオイラにはどうにもなりませんが。オイラの…

「さよならピアノソナタ」1巻(杉井光/メディアワークス)

杉井さんがここに至るまでプロとして書いてきた話――デビューの火目は原作があって、ある程度その枠が世界と発想を支配していた。で、次がニート(定職を持っていない若者)。 そしてこの3発目が、音楽(バンド)と。 羅列して、なにが言いたいのかといいま…

雷句問題に絡んで、編集者・編集制度関連の文章を書こうとしたのですが、もう旬をはずしたし気が乗ってこないので断念。 サラリーマンであり、失敗の責任を取られにくい編集者がときに書き手の一番身近なアドバイザーとなり、作品の内容や方向性に重大な影響…

おかげさまで、本日で当ブログは丸4周年を迎えました。おめでとうおめでとう。 相変わらずの場末クオリティだし、宇宙空間に向かって石を投げてる感覚にもときどき襲われるけど、はてなのリンク元機能に支えられてこれからも書いてくよ! で、アニバーサリ…

「ハチミツとクローバー」8巻・9巻・10巻(羽海野チカ/集英社)

今月のマンガ夜話で取り上げられるというので、それに合わせて読了。 まあ実は、アニメ版で最終回までのあらかたの流れは全部知ってたんだけどね。つかよく考えたら、アニメ版は話の最初から最後まで全部やったのか……近年珍しい事態だったんだなぁ。 はぐ大…

「神様のメモ帳 探偵の愛した博士」(杉井光/メディアワークス 電撃hpvol.49(asin:4840240213)収録)

杉井さん生涯2度目の小説誌面掲載。しかし、「探偵の愛した博士」でググっても感想が一件も出てきやしないたぁ……むー。掲載なんてそういうものなんですかね。 枚数を例によって手元で照合してみる。えー、原稿用紙換算で120枚前後かな。こういう誌面掲載…

「神様のメモ帳」2巻(杉井光/メディアワークス)

全体的にヤクザ世界な話。1巻目とはちょっと毛色を変えてきた感じ。 一人称なせいもあって、それほど違和感を感じさせずに読ませてますけれど。学園生活も都心ヤンキーも乏しくて、代わりが外国人労働者とかマネーロンダリングではさすがに生臭さは隠せませ…

「TISTA」1巻(遠藤達哉/集英社)

初恋のイメージは、すぎていく時間とともにプラス方向に増幅されていくものだと思うのですが。 オイラにとって、遠藤さんはそういうものに近かった。 増刊を買う習慣がついたかつかなかったころ、遠藤さんのデビュー作「西部遊戯」と出会って。ジャンプとい…

「ゆら×イラ」4*1

「おーい、みすずー!」 県立屋内プールの玄関ホールは、競技を終えた選手や応援の人たちでごった返していた。ほんの一時間前までプールにあった喧騒がそのまま移ってきたよう。 その混んだなか、みすずは手を振っている結華に気づいた。手を振り返して、駆…

「ゆら×イラ」3

特急が、光生の目の前を通過していく。風があとから追いかけてきて、光生の髪を巻き上げる。 駅のホームで、光生は電車を待っていた。 一時間に三本、普通電車だけが停まる。片田舎のJRはこんなものだ。ホームを繋ぐ陸橋はボロボロのサビサビで雨漏りもす…

「冲方丁のライトノベルの書き方講座」(冲方丁/宝島社)

ふらっと購入してさらっと読了。 冲方さんが自作のプロットを公開して、その当時を回想しながら製作過程、そのときなにを考えていたかを語る構成。 小説書き方本にありがちな、「ああせいこうせい、これダメあれダメ」的な作りになってないのは、案外いいか…

「ゆら×イラ」2

「男ってさぁ、みんなエッチなのかな」 開け放した窓から両腕をだらんと出して、みすずは問いをこぼした。 「なになに、藪から棒に。青春ごっこならヨソでやってくんな」 食後のコーヒーを淹れてきた結華が、つま先でみすずのかかとを小突く。 特に用事がな…

「Dark Seed」3巻(紺野キタ/幻冬舎)

完結編。 エルバートに誘われてリジーが暗黒面に堕ちたあたりから、本領全開というか。人が本来誰しも持っている心の汚い部分を吐き出させて、ぶつかりあっていくというのがなにより美しい。 まあただ、ちょっと「大人になれ」というメッセージが露骨すぎた…

執筆リハビリ1「ゆら×イラ」*2

「くぉの、ばっかやろぉぉぉぉぉーーっ!」 背後から投げつけられたスイミングゴーグルを、うしろに目がついていない光生はもちろん避けられなかった。 むしろ声に反応して振り返ったら、ちょうどまぶたにぺちんっ、と。 「――――っ」 片目を抑えて、光生はう…

「曠野の舞姫」(映島巡/エニックス)

読了。映島さんの古代ギリシア(近辺含む)ものというと、ジャンプノベルから出た「オデュッセイア」(isbn:4087030881)を思い出すというか、おそらくこの本を買ったのもそれが面白かったからに違いないのですが。 じゃあなんでそれを7年も積んでおくか、…

「ドラゴンズ・ウィル」(榊一郎/富士見書房)

ただのほのぼのファンタジーだと思って読みだしたので危なかった。 産業革命期に発生する絶対的な問題、非科学的価値観の直視と評価・発展的解体を織りこんで、少女の成長における「通過儀礼」話としてまとめている。 なんというか、うま面白かった。 技術的…

今どきの小学生が見る動画 人気1位アニメはエロコメディ(かのこん)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080517-00000000-jct-sci http://www.j-cast.com/2008/05/17020147.html ぶっちゃけ笑いました。 しかし小学生女子まで見てるというのはすごい。まあネットサービスの年齢登録だから、いわゆる大きな小学生(大人が年齢…

オークションサイトとか見回ってるけど、なかなか送料込みで3000円以下で買える、ノンジャンクのプリンタってないもんだな……

「Dark Seed」2巻(紺野キタ/幻冬舎)

紺野さんはほんとにはずさないなぁ。 突然「闇の種子」の番人に選ばれてしまった齢13の少女の戸惑い、戸惑いながらの突破、そんな彼女にやっかみ嫉妬する同級生たち、なにより悪意をくすぶらせている秘密結社…… 人が生まれながらに持っているささやかな悪…

「ハツカネズミの時間」1巻・2巻(冬目景/講談社)

閉鎖環境学校、記憶操作、脱走―― 鬱々というか、じんわりと暗い感じがするのがやっぱりいいですね。冬目さんの味というか。 あとときどき出てくる、外の世界のアパートの窓の外とかの風景がけっこう。猥雑感があって。

「幻影博覧会」2巻(冬目景/幻冬舎)

真夜の秘密に踏みこんでってるのがたまりません。 稀人……未来人……逆オーパーツ少女……言いかたはともかく、突然さらりと関東大震災の予言をかましたりするあの超然さというか、ミステリーというか、非常に気になります。