漫画

「四方遊戯」(遠藤達哉/集英社)

遠藤達哉は、オイラの目の前に現れた、初めての同い年の漫画家だった。 もちろんオイラの目の届かないところでは、もっと前にデビューした同い年漫画家だっていただろう。あれから8年も経ってしまって、その程度のモノワカリはオイラも持つようになってしま…

「TISTA」2巻(遠藤達哉/集英社)

完結巻。 ぶっちゃけ打ち切りだったのですが、打ち切りとは思えないほどよくまとまっていると思う。というか畳みかけがすごい。 純粋な害意のせいで幼児期にトラウマを抱え、そのトラウマに導かれるまま修道騎士となり悪人を裁き続けるティスタ。ティスタに…

「ぼくの村の話」全7巻(尾瀬あきら/講談社)

実はずっと6巻だけ見つからなくて探していたんですが、やっと見つかったので一気に読破。 成田空港建設問題をモチーフにした、「地元農民vs政府・国」を描いていくストーリー、なんですが。 あんまり軽い気持ちで「農民かわいそう、自民党政府は糞」という…

「ハチミツとクローバー」8巻・9巻・10巻(羽海野チカ/集英社)

今月のマンガ夜話で取り上げられるというので、それに合わせて読了。 まあ実は、アニメ版で最終回までのあらかたの流れは全部知ってたんだけどね。つかよく考えたら、アニメ版は話の最初から最後まで全部やったのか……近年珍しい事態だったんだなぁ。 はぐ大…

「TISTA」1巻(遠藤達哉/集英社)

初恋のイメージは、すぎていく時間とともにプラス方向に増幅されていくものだと思うのですが。 オイラにとって、遠藤さんはそういうものに近かった。 増刊を買う習慣がついたかつかなかったころ、遠藤さんのデビュー作「西部遊戯」と出会って。ジャンプとい…

「Dark Seed」3巻(紺野キタ/幻冬舎)

完結編。 エルバートに誘われてリジーが暗黒面に堕ちたあたりから、本領全開というか。人が本来誰しも持っている心の汚い部分を吐き出させて、ぶつかりあっていくというのがなにより美しい。 まあただ、ちょっと「大人になれ」というメッセージが露骨すぎた…

「Dark Seed」2巻(紺野キタ/幻冬舎)

紺野さんはほんとにはずさないなぁ。 突然「闇の種子」の番人に選ばれてしまった齢13の少女の戸惑い、戸惑いながらの突破、そんな彼女にやっかみ嫉妬する同級生たち、なにより悪意をくすぶらせている秘密結社…… 人が生まれながらに持っているささやかな悪…

「ハツカネズミの時間」1巻・2巻(冬目景/講談社)

閉鎖環境学校、記憶操作、脱走―― 鬱々というか、じんわりと暗い感じがするのがやっぱりいいですね。冬目さんの味というか。 あとときどき出てくる、外の世界のアパートの窓の外とかの風景がけっこう。猥雑感があって。

「幻影博覧会」2巻(冬目景/幻冬舎)

真夜の秘密に踏みこんでってるのがたまりません。 稀人……未来人……逆オーパーツ少女……言いかたはともかく、突然さらりと関東大震災の予言をかましたりするあの超然さというか、ミステリーというか、非常に気になります。

「電脳コイル」(磯光雄・久世みずき/小学館)

ちゃおの、まんがを、はじめて、かった! アニメ本編と違ってイサコ様がいっさい弱音や涙を見せないので、逆にそこがオイラにとってツボだったかもしれない。

「ヤサシイワタシ」全2巻(ひぐちアサ/講談社)

(アフタヌーンKC)" title="ヤサシイワタシ(2) (アフタヌーンKC)" class="asin"> 読了。 実はずっと以前に1巻だけ読んで放り出してたんですが、たまたま2巻を見つけて買ってしまったので、通読。 で、なん、つか…… どんな角度から評価しても「鬱漫画」とし…

「究極超人あ〜る」全5巻(ゆうきまさみ/小学館)

まだまだ(小説書きとしてどころか人間としても)教養が足りないオイラ、ここでいっちょ、文化系部活コメディの古典を読んでおく必要があるだろうと思って、読了。 いやあ、やっぱ学内戦闘はいいですね(なにがだ) ヴァイタリティのあるキャラクタが部活全…

「北京的夏」(ファンキー末吉・松本剛/講談社)

オイラが唯一持ってなかった(読めてなかった)松本さんの単行本がこのたび復刊。しかも収録作も旧版と同じということで、ある意味「難民」としては助かったのかもしれない。 ――まあ、ちょっとお値段は(旧版より)高めだけど。 舞台は天安門事件から1年後…

ジャンプスクエアが大々的に発売されましたが。 遠藤達哉の新連載「TISTA」が予想以上によかったのがなにより嬉しかった…… や、ね。なんせオイラ、遠藤さんが「西部遊戯」で赤マルでデビューしてからかれこれ7年半、ずーっとファンだったんですよ。いつ連載…

「恋の神様」(古味直志/週刊少年ジャンプ07年20号)

これが本紙デビューとなる作者の読み切り。 結果的にその後(増刊にて)デビュー作となった「island」でネウロ以来となる月例賞準入選という快挙をやってのけた古味さんですが、まあその「island」読んだときから古味さんにはオイラ期待を持っています。彼の…

「Dark Seed」1巻(紺野キタ/幻冬舎)

ああ至福。 近世ヨーロッパっぽい世界を舞台にした全寮制魔法学園モノ、とだけ書くと良さは伝わらんでしょうが(苦笑)、そこに魔法の設定が加わるととても紺野さんらしい味になる。 魔法使いは生まれながらに小さな石を握って生まれてくるのですが、その石…

「すみれの花咲く頃」(松本剛/講談社)

15年半も昔に出たものを、新編成版として講談社BOXブランドで復刊したもの。とはいえ、描かれている中身/世界が古臭いかというとそうでもなく。誰もが必ず少しはかすめてきたような10代の苦さ、苦しさ、それゆえの爽やかさが満ち満ちています。 120…

「げんしけん」8巻・9巻(木尾士目/講談社)

いまごろ完読。 そうかぁ、荻上、膜失っちゃったのか……つかもう少し段階踏めよお前ら。初キスから30分もたってねんじゃね? まあ、「恋愛とか青春とかうまくいってるオタクは死ねばいい」とか危うく書くところでしたが(笑) オタクをそうやって賤民と言っ…

「P2!」(江尻立真/週刊少年ジャンプ06年43号)

新連載。 オイラは江尻さんのことは増刊デビューした99年から知っていたりする。当時からこういう小奇麗な絵で、オタクのオイラの気を惹きました。 ので、連載持つまで来たというのは非常に感慨深いものがあります、が……まさかスポーツもので来るとは思わ…

クライマックスを迎えているDEATH NOTEですが、今週のを読んでようやく、夜神月の思想にある種の幼稚性が含まれているということに気がつく。それはつまり、自己に対する過大評価と、他人を評価するに当たって一面しか見ないということですが。 一面しか見な…

「Under the Rose」3巻(船戸明里/幻冬舎)

読了。 前巻までは少年視点だったんで、そんなに強く感じとれなかったんだけど、このドロドロしさ、昼ドラの空気があるよな。 といってもべつに、女の情念がぶつかりあってるって意味ではなくて。他者への攻撃性、敵意を隠さないってところが昼ドラっぽいな…

「1リットルの涙」(木藤亜也・KITA/幻冬舎)

名義は違いますが紺野キタ作品。使い分けは紺野さん自身の意志なのかな? おかげでオイラは知り合いが数ヶ月前に指摘するまで気づかなかったのですが(汗) どうせありがちな難病ものだろう、と思って読みだすとエラい目にあいます。だって普通に紺野漫画な…

「おおきく振りかぶって」6巻(ひぐちアサ/講談社)

センバツを見ながら読了。高校野球の空気を感じながら読むというのもまた楽し。 しかし三橋カワイイよなぁ。あんなにランナーをニタニタ見るんじゃないよ(笑) それに対する阿部も、三橋ラブ度がにおってきたというか――三橋が鼻血出して休んでるのを見て、…

「げんしけん」7巻(木尾士目/講談社)

書いたものを知人に見せたくない……うーん。わかる。さらけだした自分を見られるのがイヤというか。俺もネットという距離感があるからこそ、露出狂のように書いたものをアップしているけれど、リアル知人には小説を書いていることすら話したことはない。 いつ…

「唄う骨」「化けの皮」(戸田誠二/ぶんか社)

世界各地の童話や民話をモチーフにした作品集。というかどこまでがモチーフのネタでどこまでがオリジナルなんだろうか。どの話も戸田汁が濃すぎる。必ず誰かが破滅してるというか。 愛と憎しみ、善意と悪意、賞賛と嫉妬。けして人間って「いい側」だけでは構…

「おおきく振りかぶって」4巻・5巻(ひぐちアサ/講談社)

いよいよ夏の県予選開始。前年優勝校と当てるという演出は、煽りとして一級品。こういうのは強いやつと当たり続けてナンボであるよねうんうん。 しかし日常パートも三橋を中心にキャラクタの性格をよく描けてるなぁと思うんだけど、やはりおお振りは試合が断…

ムヒョの今井さんはクーデレ(素直クールと同義ではない)だと思う今日このごろ。そして今井さんに萌えてるのが身内で自分だけでなかったのがなぜだかくやしい。くやしいので身内掲示板で今井さん萌えを公表しない。

「ヨイコノミライ!」3巻・「ふたりだけのうた」(きづきあきら/ぺんぎん書房)

結局、地元の本屋に駆けこんでゲットし、ネットでの注文はキャンセルしたのでした。代引手数料を浮かしたかったので、まあそれでよかったのですが。 ついでに、閉鎖する寸前にCOMIC SEEDのサイトにも行って、既載分の「ヨイコ」を読みました。 内容に関して…

ぺんぎん書房が倒産した、ということは数日前に知っていた。 だが今日、きづきあきらさんのブログを見るまで、肝心なことを忘れていた。 ――既刊が絶版になるじゃん! オイラは金のなさのあまり、きづきさんの最新の二冊を買っていなかったのである。ついいま…

「切法師」第17話(中島諭宇樹/週刊少年ジャンプ05年43号)

性善説的というか、敵役を絶対悪として描かないことにはいろいろ意見があると思うんだけど……俺は好きです。というか今週ちょっと感動したし。どうしてもエンタメだと単純な二元論にしてしまいがちなんだけど、本当の世のなかって、いいやつ・悪いやつって単…