「曠野の舞姫」(映島巡/エニックス)
読了。映島さんの古代ギリシア(近辺含む)ものというと、ジャンプノベルから出た「オデュッセイア」(isbn:4087030881)を思い出すというか、おそらくこの本を買ったのもそれが面白かったからに違いないのですが。
じゃあなんでそれを7年も積んでおくか、というツッコミはさておき。(その間にエニックスも合併で社名変わっちゃたし)
内容は、ヒッタイト帝国が「海の民」と呼ばれる集団にいかにして滅ぼされるか――てなところ。無教養者なのでwikipediaで調べたりしたのですが、ヒッタイトが「海の民」に滅ぼされたというのは史実のようですね。3000年以上前のことなんで、不確かでわかっていないことも多いようですが。
って、いま調べてて気づいたけど、これトロイア滅亡からすぐの話だから、「オデュッセイア」と時代的に続きものなんだな。へー。
ぶっちゃけ主人公サイドもバシバシ人殺すので、善良とか倫理感とかを求める人にはつらいだろうなと思う。ヒッタイトの王様を殺す計画の「核(ネタ)」も運命概念的に見てヒドいしね。
でも史実を下敷きにしたひとつの歴史群像だと捉えることができれば、オイラみたいに楽しんで読めると思う。