「神様のメモ帳 探偵の愛した博士」(杉井光/メディアワークス 電撃hpvol.49(asin:4840240213)収録)

 杉井さん生涯2度目の小説誌面掲載。しかし、「探偵の愛した博士」でググっても感想が一件も出てきやしないたぁ……むー。掲載なんてそういうものなんですかね。
 枚数を例によって手元で照合してみる。えー、原稿用紙換算で120枚前後かな。こういう誌面掲載における枚数データってあんまりおおっぴらになってないからつい調べたくなるんだよね。

  • 店にミンさんの旧友(酒屋経営)来訪。売り物に異物が混入されることが続発して困っている。酒屋は休業中。
  • 酒屋におじゃましてカメラとか設置。酒屋のあんちゃんに彼女がいたりとか。あんちゃんの母親は酒屋をたたんで彼女と結婚しろよと思っている。
  • 再犯が。しかもカメラには犯人の姿が映っていない。不可能犯罪か?
  • 犯人はあんちゃんの母親だった。息子が家業のために無理をして人生を削るのがしのびなくて。

 一応、アリスの恋愛をほじくるというコンセプトでスタートしているのですが、冒頭にアリス×ナルミのシーンを配置して、ナルミがやたらに(本編以上に)アリスを女の子として意識しまくるというエピソード→そこから酒屋のあんちゃん出して、アリスがあんちゃんに一見恋する乙女ふうの言葉を吐くという流れがとても美しい。
 やってきたい展開とテーマへ誘導するのに、まったく歪んでいない。
 スーパー店長の堀田さん、由美さん、おばさんと、3人を対等に犯人候補として並べて出してるあたりもなかなか見るものがあります。
 でも……アリスがあんちゃんを大事にするオチはドクペ関連だと序盤で読めてしまいました。表紙のナルミがドクペを持っているのがいけないんだ! 子どものころ、酒屋でジュースを買った経験があってよかった。


 ところでアリスってマジで幾つぐらいなんでしょうね。オイラ的には13歳を推奨したいのですが。少女と女の境目的な意味で。