「1リットルの涙」(木藤亜也・KITA/幻冬舎)

1リットルの涙 (バーズコミックススペシャル)

 名義は違いますが紺野キタ作品。使い分けは紺野さん自身の意志なのかな? おかげでオイラは知り合いが数ヶ月前に指摘するまで気づかなかったのですが(汗)
 どうせありがちな難病ものだろう、と思って読みだすとエラい目にあいます。だって普通に紺野漫画なんだもの。この、けっしてカワイイだけの存在でない、少女/女の子の深き部分を描きだす筆致ときたら……ああもう。先日オイラ、百合が楽しめないなどと言いましたが、あれを少し、言い直させてください。ただ耽美でカワイイor美しいだけの存在として女の子が描かれている百合は楽しめない、というふうに。だってオイラ、紺野テイストなら百合描かれても読めるもん。
「心に必要な強さは鋼の強さじゃない」というフレーズにはただただ戦慄。なにものにも揺り動かされない、屈強な心を欲してきたオイラはなんだったんでしょうか。
 いや、誰もが大海のような寛大な心は持てないって絶望しちゃったから、代わりに鋼鉄を求めただけなのか。