「かのこん」4巻(西野かつみ/メディアファクトリー)

かのこん〈4〉オトメたちのヒミツ (MF文庫J)

 いやー、今回は短編集ってことで、気軽に読めましたわー。べつに構成とか気にせんでいいわぁと。ほんとにただダラダラと読んでしまった。しかしサリンジャーのすぐあとに読んだので、かなり頭クラクラした(笑) ぶっちゃけ失敗。みやびさんは火目1巻と同時に読んでクラクラしたと某所で語ってましたけど。まあクラクラするのも、1年に数回なら逆に面白いかもしれません。
 で、こまごまと内容の話をしてもいいんですが、先に大局的な疑問の整理からしておきましょう。
 ――なんで、このタイミングで短編集なのか。
 前巻、主人公の血縁的因縁の謎に迫る新キャラが出てきて、シリアス度が増し、さあこれからどうなるんだろうと思わせた矢先です。4巻目にきて、その展開を横に置いて、それぞれの脇キャラの掘り下げを行った。あるいはキャラクターコメディをした。あるいはエロをした。
 考えられることとしては、やはりガス抜きでしょうか。
 ネット各所見回って、前巻の感想とか見たんですが。存外、変身妖力バトル展開をうっとうしいと思っている層はあったみたいで。もっとバカエロを追求してほしいと(笑)
 まあ「ガス抜き」は表現が急進的すぎるかもしれませんが、ある程度、編集者氏も含めた作り手側の考えとして、反応を探っている感じはありますよね。シリアスのあとにコメディ短編集を出すってことで。
 ……でも、シリアス的な視点で考えると、この巻で流れている時間分、丸々3ヶ月、敵側に動きがなかったってことになるんだよな。それはどうかと思うよ(苦笑)


 もうひとつ。この話の根幹にある意味関わる話。
 ――この話では、どうやら進級するようです。
 まあ昨今の学園コメディって、昔の印象と比べるとわりと進級させる傾向があるとは思いますが。主に、修学旅行はじめとした各種イベントをこなすために。誰にでも憶えのある(頷いてもらいやすい)イベントをとっかかりとしたものが多いんですよ。割と。それは発想が安易になってきているとも言えるし、共感作用を求めた結果であるとも言えるし。まあ前巻のシリアス度から考えると、進級させたほうがむしろ違和感ないんですけどね。
 しかしメンバーを変えたくなかったために、あんな強引な再入学をさせるとは……(笑)


 あとはまあ、なんだろ。布越しながら初めて恥肉に触ったとか(いや未遂だったっけ?)、委員長の指向性が見えたってことかなぁ。委員長はべつに主人公のほう向かなくていいんだけどな。正直いま時点ですでに飽和してるし。そもそも俺があまりハーレム系好きじゃないってこともある。独占するってことはそれだけ、独り身の男が増えてるってことだからね。
 というか非モテのオタ的には、いろんな女と少しずつ仲良くなるより、たったひとりの女と深く結ばれるほうが望まれてると思うのですよ。ああマジトークしちゃった(凹)