「唄う骨」「化けの皮」(戸田誠二/ぶんか社)

唄う骨 (Bunkasha comics) 化けの皮 (Bunkasha comics)

 世界各地の童話や民話をモチーフにした作品集。というかどこまでがモチーフのネタでどこまでがオリジナルなんだろうか。どの話も戸田汁が濃すぎる。必ず誰かが破滅してるというか。
 愛と憎しみ、善意と悪意、賞賛と嫉妬。けして人間って「いい側」だけでは構成されてないんだよな。でも悪いものとは向き合いたくないから、みんな自分のそういうところから目をそらして生きている。つまり、この本で人の黒さを見せられてショックを受ける人ほど、普段目をそらして生きているってことだ。