「ぼくがぼくであること」(山中恒/角川書店 isbn:4041417015)

 読了。少年ドラマシリーズ原作連続攻略だぜ、という勢いで手を出す。流れに乗ってるときはそのまま乗っとけと。
 とにかく母親の不快感がひどくてなかなかイラっとくるものがありましたが(しかも最後までいっても改心してないし)、おかげで読み進められたようなところもあり、これはちょっと自分としても考えるところがあります。いままでオイラは、過ぎたる怒りは本をそこでいったん閉じさせてしまうと思っていたので……その、確かに力はあふれるかもしれないけど、それはページを進ませるために使われなくて、脳内で怒りの対象をとっちめるパワーに使われるんじゃないかとか。
 でもまあ、いったん閉じてもまた読みだしてくれればそれでいいんですよね。つまることなくさらっと読まれてほしいとかいうことを理想に置きすぎてたんだと思う。
 書かれたのはこれも昭和40年代で、学生運動ネタなんかがあるのは「時代だなぁ」と思うのですが。でもやっぱり古くさくはなく、都会の少年が家出して田舎に暮らし、成長するなんてのは非常にオイラ好みであります。ひとり旅ってのはやっぱ子どもの心を強くするよね。オイラもまたそのうち田舎出てくる話を書きたいものであります。予定は未定ですが。