夏の甲子園が終わった。
 つい一週間ほど前まで、オイラは「早実が優勝したら鬱陶しいことになるんだろうなぁ」と考えていた。早実といえば、やはり一番有名なOBは王貞治である。とかく美談とかお涙ものとかに飢えてるこの国のマスコミのこと、早実が優勝したら、療養中の王監督と絡めてまたつまらない報道をするんだろうと考えていた。優勝したのは選手なのだから、選手中心の報道をすればいいのに、と。
(勘違いされたくないので一応言っておくけど、王監督早実優勝を祝ってはいけないとかそういうことを言ってるわけじゃない。マスコミの報道のしかたが嫌だというだけで)
 だけど、そういう心配は杞憂に終わりそうである。
 早実はこの大会で、ひとりのスターを選手のなかから輩出したからだ。他ならぬ選手からスターが出たことで、どんなOBも話題を奪うことはできなくなった。
 もちろん優勝は彼ひとりの力で成し得たものではない。だけれども、6日で5完投し、どんな状況でもポーカーフェイスで、おそらく大会史上初めてマウンドでハンカチを取り出した選手であり、一大会70奪三振超という領域に踏みこんだ史上2人目の選手が、やはり一番目立ってしまうのはしかたのないことだろう。
 今後、彼がどういう野球人生を歩むかは知らない。けれど、ほとんどの野球ファンは彼のことを忘れないだろう。斎藤佑樹というその名を。
 ……でもま、ひとつだけ苦言を言っておくと、高校野球の過剰連投ってのはやっぱ今後改善されてかないといけないよね。勝ったからいいようなものの、俺は今日の斎藤先発は反対だった。奮闘する高校生の姿というものが美化されやすいのはわかるけれど。投球というのはべつに美術品ではなく、消耗品なのだから。高校以降も野球をやろうと考えている選手に対して、もう少しなにか高野連として考えなきゃならんのではないかと。


 しかし昨日今日の甲子園関連の騒ぎに関連して驚かされたのは、「太田幸司」がはてなキーワード化されていなかったことである。元祖野球アイドルなのになぁ。