阪急と経営統合の阪神、NPBに加盟保証金30億円支払いへ

 これ聞いた瞬間、さすがに「えー」と言ってしまった。
 どういうことかと言うとつまり、阪神タイガースは、新規加盟と同じ扱いを受けたということだ。所有される形態が変わっていない(阪神電鉄の子会社)にもかかわらず。
 確かに、電鉄は阪急と統合した。ただ持ち株会社という形式であるので、実際経営陣の行き来・混交があるのかどうかは不透明だ。あるかもしれないし、ないかもしれない。そしてあった場合は、当然子会社である球団の経営に対してなんらかの影響があるかもしれない。そう、実際阪急阪神HD以外の人間にとっては、かもしれないという推察をするしかないのだ。ヨソの統合事例を見て、可能性はいくらも推察できよう。だがそこで描いたものが阪急阪神HD、ひいては阪神タイガースフロントにそのまま当てはまるかどうかはわからない。
 可能性の段階から潰しておかないと、いざとなったとき対応できない――ということはまあわかるが……
 聞くところによると、今回のこの厳しい措置は、村上某がやったような株式市場での急進的な球団親会社買収に対する防衛策的な一面もあるのだという。確かに、結果的に阪急と統合というかたちになったとはいえ、今回のような球団親会社の変貌のしかたはこれまでなかった。その点、防衛意識が高まるのはわかるが……
 不満の根源をはっきり言ってしまうと、野球人気低迷が叫ばれるなか、各地の観客動員をもっとも支えているチームに対してこの仕打ちはないだろう、という気持ちが強い。片や営業面ではタイガースありがたやと言っておきながら、30億円払わそうというのは性根が汚いにもほどがあるだろう。70年間も日本プロ野球に貢献してきたのにこの仕打ち。ひどいね。