「Under the Rose」3巻(船戸明里/幻冬舎)

Under the Rose (3) 春の賛歌    バースコミックスデラックス

 読了。
 前巻までは少年視点だったんで、そんなに強く感じとれなかったんだけど、このドロドロしさ、昼ドラの空気があるよな。
 といってもべつに、女の情念がぶつかりあってるって意味ではなくて。他者への攻撃性、敵意を隠さないってところが昼ドラっぽいなぁと。その背景のひとつには、ブリテン独特の階級社会があるんだけど。伯爵家の古い人間は、牧師の娘である家庭教師を完全に見下し、一方で家庭教師もそういう古い連中に対して苛立ちを隠さない。
 船戸さんは人間の陰の部分を見逃さないというか、見なかったことにしないというか、面と向きあってとらえて描こうとしている。そういうところがオイラは好きだ。