ハートランドヒリュが調教中に死んだ
 競馬ファンをやっていると、こういう現実とまま向き合わされる。がんばった馬がすべて幸せになるわけではないということに。
 そりゃあ競馬は勝負の世界で、競争の世界で。そこには、外部の人間では想像しきれないほどの厳しさが流れているとは思うけど。
 もちろん、俺たちの生きている世界は競争世界じゃない。最近の風潮は、勝ち組/負け組などと分けて、とかくこの世は生存競争なのだと煽りたいみたいだけど。それはやっぱり一側面でしかなくて、この世界の本質はまだ共存にあると思う。
 そんな世界だから、勝負の世界の厳しさのことなんてよそのことになってしまって。だからそこにある不幸も、関係ない、しかたがないって言って、処理してしまうことが多いんだけど。
 俺は物わかりが悪いから。がんばったやつには全員幸せになってほしいし、悪いやつには相応の罰が下されてほしい。


 キーワードページを見るとわかりますが、ハートランドヒリュという馬はJRAサラブレッド最多出走記録を作った馬です。7年ちょっとで127レースも走った馬です。これほど戦ってきた馬に、勝負の世界の外での安息が与えられなかったとは、腹立たしくてしかたがありません。運命のクソ野郎め。