「おおきく振りかぶって」4巻・5巻(ひぐちアサ/講談社)

おおきく振りかぶって(4) (アフタヌーンKC) おおきく振りかぶって(5) (アフタヌーンKC)

 いよいよ夏の県予選開始。前年優勝校と当てるという演出は、煽りとして一級品。こういうのは強いやつと当たり続けてナンボであるよねうんうん。
 しかし日常パートも三橋を中心にキャラクタの性格をよく描けてるなぁと思うんだけど、やはりおお振りは試合が断然面白いよね。スポーツものは、試合が一番面白くなきゃそれ以外がいくらよくてもダメだと思うし。
 やはり思考が見えてくるところが、この漫画の試合の面白さだろう。研究し、計算されつくした頭脳でもって、相手の球を打つ。三振を取る。そして試合中でも相手をじっと観察。新たなことがわかれば即時対応していく臨機さも求められるという。
 なんかオイラごときが語ってもぜんぜんダメだね。試合のことは。草野球でさえほとんど経験がない人間が語ってもしょうがない。
 でも先取点が挟殺プレーの間というのはムチャクチャ渋すぎるだろ(笑) 普通の野球漫画では絶対やらんぞ。


 キャラの話を勝手にしておくと――やはり三橋。人格形成にあからさまに関わる過去話は正直どうかと思ったのですが(生まれついて臆病なオイラみたいな人間だっているんだよ!)、自信の持ちかたと表しかたが非常に人間くさかった。人に対して「自信あるぜ」ってことは言えないんだけど、内々ではかなり自信たっぷり。背番号1に対する感情とか。
 単に自信をもってない/無気力、というキャラは概念として持ってたし、使ったこともあるけど……表することができないだけで、ほんとは自信たっぷりというのは使ったことなかったなぁ。三橋のおかげでどんどんヘタレ図鑑がアップデートされていく。
 あとハマちゃんの留年理由というのは公式野球部結成のタイミングとなんか関係あるんでしょうか。気になる。ずっと部員10人でやるわけにもいかないしねぇ。ファーストコーチを固定できない=みんなで各回交代でやるってのも、しんどいだろうし。最低でも11人要るって、あの世で蔦監督(池田高)も言ってるだろう。