「この闇と光」(服部まゆみ/角川書店)

この闇と光 (角川文庫)

 相変わらずどういう理由で買ったか憶えてない本ばかり出てくるのですが、今日はこれ。これで年越ししました。


 で、まあ、なんだ。ネタバレに配慮しないと宣言してるから、普通に感想話すけど。ファンタジーだと期待して読みだしたら最後全然違ってました。えー、って感じ。
 序盤の、流麗さを描く細密な文体がわりとよかったのでいいけど。
 ……サプライズってのも「面白さ」の要素に入るのかな。テーマやキャラクタは関係なく、ただ構成的にひっくりかえす、ということだけなんだけど。んー、ちょっと保留。


 しかしなんというか、人は他者との比較のなかでしか自己を認識できないんだなぁ。なかなか深い。生まれてから当たり前に他者とのなかで生きてきた身には想像しづらいことだけど。
 小説に置きなおすと、他キャラたちとのかかわりのなかでしか、キャラクタの個性って光らないってことか。気を抜くとキャラに自問自答をさせたがるオイラは肝に銘じなきゃならないのかも。