「石の花」全5巻(坂口尚/講談社)

石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫) 石の花(2)抵抗編 (講談社漫画文庫) 石の花(3)内乱編 (講談社漫画文庫) 石の花(4)激戦編 (講談社漫画文庫) 石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)

 ふと思いたって、再読する。
 第二次大戦下のユーゴ。ナチスの侵攻によって国家は分断、泥沼の状況に陥るなか、少年は生きるために銃を手にし、人の生と死、善と悪、そして戦争について考える。名作。


 とにかくあっさり簡単に、人がゴミのように死にまくる話なのですが、同時に、それだけ人の命が軽かった時代があったということを読み手として/現代人として意識しなければならない。民族、宗教、思想……あらゆるものは、人殺しの理屈になりうる。俺が物語の上でやってきたジェノサイドというものは、まだまだ甘かったということだ。人は、敵を殺すのに遠慮もためらいもしない。


 まああと理想主義vs現実主義とか、コスモポリタンコミュニストとか、愛国主義と愛星主義とか、いろいろ語ろうかとも思ったのですが、うまくまとめきれなかったのでパス。すいません。
 ただひとつ言えることは、オイラ平和な国に生まれてほんとよかったよ、と。