電撃1次の発表は予想通り7月に延びたようですね。
 まあマジで張本勲(3000本越え)になってたので、納得できると言えば納得できるのですが。


 3月に買った電撃hpSPECIAL、そこに掲載されている第5回hp短編賞の受賞作をようやく読む。
 一応ワナビらしく、分析的なことをやってみる。あんまり期待してもらったら困りますけど。分析、とエラソーなこと書きましたが、たいしたことは書けてないので。というか雑だし。
 余裕でネタバレしてるので、日も経ってるしまさかいないとは思いますが、まだ読まずに寝かしている人はスルーしてください。




●銀賞「二四〇九階の彼女」

甲田さん「雰囲気を書くセンスがあるが、作品単体としては未完成」
有沢さん「文章が綺麗。独特の世界観を描いていたのが印象的」
壁井さん「文章・世界観が美しい。文章で空気感が書ける貴重なセンスを持っている」
小山編集長「独特の世界観が、読者を選んでしまうかもしれない」

 ↑が選評。細かい言い回しなど、文章の収まりをよくするために原文から若干変えてあります。
 コンセプトは、「受動的に生きていた男の子が、遠い世界の女の子と交信することで、人生の目的を得て能動的に生きるようになる話」――うう、こう書くとジュヴナイルの王道みたいだなぁ。
 いや、王道なんだけど。
 視点者をふたり用意して、ほとんど交互に両人を書くというトリッキーな――というか、投稿指南サイトならまずやるなと言われるようなこと――ことをしているため、結果、主人公の少年に関するテーマ性が薄れた感じはあります。だから「王道ですよ」って言われても、いまいちピンと来にくい。
 しかし逆に言えば、一人称独特のウザったさ/暑苦しさを、視点者をふたり出すことで分散させられていたのではないかと言えるかもしれない。


 掲載作は全部で三本ありましたが、文章だけを言うならこれが一番下手でした。もしかするとオイラとトントンぐらいじゃないかと思えるほど、雑な書きかたが多かった。まあデビュー作で「この人文章うまいな」って思うことはほとんどないんですけど。
 しかし、最初は下手のあらわれと見ていたかっ飛ばし/詰めこみ系の文章が、読んでいるうちに意外と雰囲気作りに役立っていたのがなんとも。一人称ならばこそ、文章が主観に基づくという効果を最大限利用した、というところでしょうか。なんにせよ、なんでもくどくしつこく書きたがるオイラは、ちょっと見習うべきところがあるかもしれない。

  • なんとなーく、な主人公の日常と、世界観のヴィジュアル的提示。
  • ヒロインの状況説明。ヒロイン、主人公と交信成功。
  • 主人公の信じてきた日常・常識を突き崩しにかかるヒロイン。
  • ヒロインの世界のタイムリミットが提示。もう時間がない。
  • ヒロイン、強引に突き崩しを進める。主人公受け入れきらず。
  • 主人公、取り引きに応じて、幼なじみの夢のために交信をやめる。
  • しかし幼なじみに拒絶される。そして自分のしたいことをやれと言われる。
  • 改心して、ようやくヒロインと交信再開した主人公。死にゆくヒロインの仕事を託される。継ぐ。

 ↑は話をエピソードに分けたもの。
 正直、視点の往復が激しい作品なので、こういう既存のやりかたはあまり最適ではないかもしれない。
 で、これ、転が薄い。というか、日常の象徴であった幼なじみの言葉で転換するというのはどうなのか。背景からキャラクタに昇格ですか。いやむしろ、日常の側から突き放されたのだ、と象徴的に見ることもできるのかな。でもそれにしたって、主人公、能動的にたいしたことしてねえ(苦笑)
 うーん。だとすると、むしろヒロインのほうが主人公なのかな? でもヒロイン、心理的にはほとんど変わってないし。一番変化してるのは主人公だし。


 と、ここまで書いて、受動系キャラを主人公にしても受け入れられる素地についてちょっと浮かんだので、それを次のタームで話してみる。

  • 主人公:なんとなく生きてる。物語の進行をスムースにする程度に好奇心がある。過剰な自己主張はない。
    • 生きる目標が特にない→目標を見つける
  • ヒロイン:世界の真実を明かそうと奮闘して、コミューンから追放される。バリバリ好奇心。人に受け入れてもらえなかった過去から、ややネガ思考気味。

 キャラ分析。幼なじみの分析はカット。
 これでなにがわかるかというと、「自己主張の有無」について。
 私事で申しわけないですが、実はオイラ、昨年秋ファウスト賞に送ったもののなかに、受動系というか、自分で世界を切り開こうとしないタイプのキャラクタを出したんですね。まあこれが酷い不快感をもよおすキャラでして、自分の不幸を全部まわりのせいにしてキレてるようなやつでして。そいつがその性格をやめることがストーリーの核だったんですけど。起承転結の流れだけを重視しておりゃあっと書いてみると、キャラが人間のクズみたいな性格になってても見逃してしまうという(最悪)
 それを踏まえて考えてみると、なにも主人公に主張させないということが結果として、好感も持たれない代わりに致命的な不快感も持たれなくしているのだろうな、と思ったのですよ。オイラとにかくテーマ主義というか、主人公にテーマそれ自体を喋らせるという癖がいまもって治らないというか、たぶんテーマ伝達に関する自信がないせいなんですけど。そういうテーマ主義を推し進めていくと、どうしても主人公に「自己主張」というものをさせてしまわなくてはいけなくなってしまうんですね。
 自己主張を多く展開させることで、転換前の主人公の状態をマイナスにし、転換後のプラスの状態をより引き立たせるというスタイルのほうこそ一般的なんですけど。事実、大賞作はマイナス→プラス系だし。オイラが言いたいのは、マイナススタートではなくゼロ→プラスというのもアリなんじゃないかということです。プラスの状態が目立たなくなる危険性はあるけど、キャラが嫌われにくいというメリットもありそう。
 そういう観点から、自己主張を抑えるというありかたはひとつアリだなと感じました。
 手法的な点から具体的に言えば、内心を書かず、セリフと行動をずっと追っていくという書きかたですね。僕は○○した、とか。それだけ書いて、行動意図は多く見せないという。


 ああ、ちなみにこれ読みながら感じていたのは「キノ旅」っぽいということだったんですけど。考えたらキノもほとんど受動で自己主張しませんね。淡々系のフィールドみたいのが電撃にはあるのかしらん。




●金賞「運命の糸」

甲田さん「完成度では大賞作を凌いでおり、一番上手い」
小山編集長「優等生的な作品で、欠点は少ないものの、『これだ!』といい作品のウリが伝えきれなかった」

 うーん、選評にあまりいいコメントがない(笑)
 割愛した審査員も基本的にみんな同じようなことを言っていて、「とにかく上手いがトガってない」という意見しかない。
 確かに、日本語のことに限らず、カメラ移動がスムーズでちゃんと読めるとか、そういうことも含めて、技術はこれが一番高かったとオイラも同意します。できます。と同時に、トガっていなかったということも、他の受賞作と並べて比べてみると、ある程度納得できてしまう。


 コンセプトは「世のなかはなんでも運命で決まりきっていると諦観している主人公が、突然のフォーリンラブとヒロインの行動でもって、諦観を捨て積極的に生きるようになる」話――ううん、やっぱり積極的な生きかたに転換するっていいよね。
 実は今回の受賞作三本とも、コンセプトとしてはどれも非常に近い。受動的だったり諦観だったり被害妄想者だったりして前向きに生きられなかった主人公が、前向きさを獲得するというモノばかり。
 そういう意味では、オイラもやってきたことは絶対的に誤りというわけではなかったわけで。まあ今回のこの短編賞に送ったやつでは、前向きになる話ばかりでもなかったけどさ。本当に好きな人に気づく話とか、自分の愚かさを思い知る話とか(これはいわゆる赤マントのやつね)。ひとつだけ前向きさを獲得する話はあったけど、構成がウンコというか、主人公以上に脇キャラに力が入っていたという寒い話なので、論じるに値しない。
 もっとストレートな構成を心がけてもよかったといまは思う。


 この話に好感が持てたところは、他二作が世界観の派手さで読み手を引きつけられていたのに対し、これは普通の現代の学校を舞台にしていたという点。そのなかで、主人公に「赤い糸」が見えるという特殊能力を与えただけ。
 こういう派手さのない世界観は、一番オイラに近いと思いました。ラノベというより少女漫画みたいな話だなぁ、というのが正直な印象。赤い糸が見えて、それで恋愛話がわやわやがやがやするだけなんて、題材としてあまり流行りのラノベ的でないというか。こういうことを書くと、論として同時に、オイラの作風はラノベの主流ではないことになってしまうんですが(笑)
 というか、誰かトガった世界観の作りかた教えてください。
(私信:おいきょろ、お前だお前、お前のことだ。お前はなぜそんなにトガれるんだ)
(私信2:きょろにはここのことを先日話してあります。いろいろ思うところありまして。継続して見てくれてるかどうかはわかりませんけど)

  • 主人公の能力「赤い糸を見れる」を提示。
  • 主人公とヒロイン、初邂逅。ヒロインは主人公の親友に惚れてる。主人公、自分と糸が繋がっている相手と人生で初めて出会う。
  • ヒロインの「あきらめない性格」の提示。主人公との対比。
  • 主人公、能力と恋心をヒロインに告白。ヒロインは激昂して、切れないはずの糸を力で切る。
  • ヒロイン突然の転校。主人公は彼女にならい、あきらめない精神でいつか彼女を振り向かせると決意する。

 エピソード。
 おお、銀賞に比べるとなんてシンプル。シンプルイズベストですよ。わかりやすい。
 ポイントはずばり、ヒロインが糸を自力で切ったこと。これが、いつのまにか切れてたとかの成り行きオチだったら、たいして面白くなかった。というか巻島並みだった。
 小説書きってつい、想いとか心とか、そういうものの力ってのを強調したがってしまうんですけど――というのも、自分の心のなかを伝えるべく、小説なんて書いているのだから――そこの壁を、この話は見事にクリアして、行動で魅せるということをやっていました。やっぱり行動は大事です。
 ただ、この流れのなかで唯一気に入らないのが、主人公の恋心に関してなんですよね。というか、告白シーンに来るまでほとんどそれらしい記述がない。ややズルいというか、あと出しジャンケンのように映りました。まあ諦観という性格に育つほど根付いていた「赤い糸視認能力」で、初めて自分と繋がってる相手と出会ってしまったんですから、意識してるのは当たり前だし、そのうち結ばれるのだと認識してるのも当たり前なんですけど。それが積極的な恋心と必ずしも結びつくのかと言われると……ううん。 理屈はわかりますけど、もうちょっとクッションがほしかったというのがオイラの個人的感想。

  • 主人公:先天的に運命が見える能力ゆえ、性格は諦観。ついでに皮肉屋。
    • 世のなかはなにもかもすべて決まっていると達観→決まりきっているばかりでもない、と運命に挑戦する。
  • ヒロイン:ドがつくほどのポジティヴ思考者。元気弾丸娘。恋に恥じらい、皮肉に反発するという、ある意味男の理想めいた部分はある。

 キャラクタ。
 おお、王道だ。タイプがまったく真反対のふたりが交流しぶつかりあって、そのなかで芽生える変化。
 やっぱ成長モノとして立てるなら、きちっとキャラ属性は考えないとダメだなぁ。オイラ、ほんとなにもこのあたりのこと、これまで考えてなかった。ただセリフがそこにあればキャラは反応していくものだ、ぐらいにしかとらえきれてない。絶望。
 主人公の自己主張に関しては、読者としてのオイラ的にはこの話までが許容範囲。個人的に、達観してるやつとか諦観してるやつは、高校生の自分を見てるようですごくつらいんで。同属嫌悪ってやつですか。
 でも、やっぱり惚れた伏線というのはわかんないよなぁ。一人称なんだから、もっとそれらしく書けたのではないかという気もする。ヒロインを見た瞬間の体感の変化とかさ。ああ、惚れてる状態の描写にすぐ体感を使うのは巻島のクセだから、万人に勧めるものでもないのか。




●大賞「インサイド・ワールド 〜冬のロケット〜」

甲田さん「文章、キャラクターに独特の個性がある」
壁井さん「設定に若干首をかしげる部分があり、また個人的にどうしても主人公が好きになれなかったのですが……強烈に印象に残る奇妙な魅力を持った作品でした。感性に訴えかける文章センスと、そしてヒロインがえらいかわいいのです。かわいすぎる」
小山編集長「キャラクターの作りこみに少し弱い面があったものの、文章センス(会話センス)が光っていました」

 さて、やっとこさ大賞です。
 これも実は、選評が似たり寄ったりで……ようは、独特とか、トガってたとか、そういう評価が多かったんですけど。せっかく何人も審査員集まってるんですから、次回からはもっと各人個性的な意見を出し合ってもいいんじゃないでしょうか。俺だけは絶対この受賞作は認めない、とか。あんまりそうやって揉めると、えんための前審査員たちみたいなこと(ケンカしたあげく全員降板)になってしまうんですけど(苦笑)


 コンセプトは、「著しい被害妄想のせいで不登校な主人公が、似た境遇のヒロインと気持ちをぶつけ合うことで、相互に前進する」話……なんだけど……正直、実はオイラ、ヒロインの心の動きがいまいち掴めなかったり。ツンデレの亜系だってことはわかるんだけど、それは造型の話であって、心の展開とは関係ないし。まあこのあたりは、あとあとエピソード分解とかキャラのほうでやるとして。
 文章的には、序盤がとにかく説明から始まるのがうまくないというか。まあ枚数規定考えると、ある程度説明文を織り交ぜるということは避けられないんだけど。オイラだって、状況を理解してもらうために、モロにしょっぱな、説明から入ることあるからね。いまでも。


 で、だ。
 あまり決めつけて言うようなことではないかもしれないんですけど……これ、どう見ても「セカイ系」です。隕石が数ヵ月後に落ちてくるという設定で、世界の滅びが規定されていて――ラストで都合よく滅びの可能性が取り払われてるんだけど――ともかくそういう地球規模の危難のなか、個人的な社会適応と地球脱出(ロケット作りの理由としてヒロインが発言)の話が混ざり合っているという。まさに教科書のようなセカイ系
 まあセカイ系自体を否定するつもりはさらさらないんですけど。書けるものならオイラ書きたいし。ただ、オイラの当たり前を紙に書いていくと、あんまりセカイ系にはならないんで。嗚呼。
 あと、正直な印象として、「作って壊す系」のジュヴナイルの系譜ってのが、もしかしたら鉱脈としてあるのではないかという感じがしました。これ読んで思い出したのがぶっちゃけ、きょろの「テレポーター〜」なんですよね。主人公たちのブレイクスルーの象徴的アイテムとして、なにか作って壊すというのは極めてわかりやすい演出であるなぁと感じました。……いまさらすぎるな。

  • 主人公の状況説明。主人公、怪しげなプレハブを発見。プレハブでロケットを作っている、クラスメイトのヒロインを発見。
  • ヒロインと交流。主人公、被害妄想癖からヒロインと揉める。
  • さらなる被害妄想で、作りかけのロケットを破壊する。
  • 実はロケット制作は、学校に適応できないヒロインの逃げ場だった。互いが互いに似た境遇だったと知り、被害妄想を捨てる。

 エピソード。
 イベント主義ではなく、むしろ主人公の心の動きで話を進めているので、エピソードに意味合いを見つけて分けるのは難しい話でした。
 オイラ自身、一人称をやるときは、内心だけで片をつけるようなことにならないよう気をつけているところがあるんですけど。この話はそういうセオリーをうっちゃってます。その弊害として、ヒロインがわけわかめになっちゃってるんですけど。少なくともイベント主義ならば、ヒロインの行動とかももっとクローズアップされるので、心がつかめたと思うんですよね。
 展開としてはかなり強引な手が目立ったように思いました。ワナビが数人集まるとたぶん普通にダメ出しされるレベル。

  • 主人公:被害妄想癖のある不登校者。自分の欠点を認識できているが、それを改善する勇気がない。つまりへたれ。
    • 猜疑心に満ちた意識で、とにかく被害妄想しまくり→現実逃避をやめ、もっと世界と向き合ってみることにする。
  • ヒロイン:挫折から道を見失ってしまった。性格は偏屈。他人とうまく交わる術を見つけられないまま、ロケット制作に引きこもる。

 キャラ。
 実は目からウロコだったことがありまして。こういう同型のキャラクタを配置して、そのなかで相互に問題点を気づかせるというスタイル――おおいにアリなんじゃないでしょうか。いままでオイラ、どちらかと言えば対極にあるキャラが主人公を説教したりとか、見つめるなかで改心したりとか、そういう系統ばかり書いてきたんですけど。お互いがお互いの保護者的ポジションに立てるという意味で、この同型のキャラを配置するという在りかたはなかなか面白いと思います。
 主人公のへたれさについては、オイラとベクトルが近いように感じました。作風としては近くないんですけど。他人になにかしらのレッテルを貼って勝手に怖がって、結局なにもできなくなってしまうというのは、かなり普遍的な悩みなんでしょう。
 しかしにしても、説明文による自己主張がかなりウザかったです。オイラでもここまでくどくはできないぜというレベル。遠慮しなかったからこそ、かえって好結果だったのかもとかは当然考えられるんですけど。
 まあへたれ主人公でも大賞取れるって、希望があっていいじゃないですか。ビバへたれ。


 ヒロインについては、細かいネタ部分については参考になるところもあったりなかったり。でもやっぱり、中身はよくわからないです。ロケットを壊されてからの変わり身が早すぎて。萌えの本質はデータの羅列と言ったのは東浩紀さんですが、やっぱり細部がよければ大局は大目に見てもらえる業界なんでしょうか。ラノベヒロインって。




●まとめ

 まず考えなければならないことは、受賞作全部が一人称だったこと。
 昨年も最終選考作四本中三本が一人称だったんですけど。
 まあ、短い話だと、一人称のほうがやりやすいのは確かなんですけどね。書けることが限られてるので、そこそこ壮大な設定にしても規定の枚数枠に収められるので。Short3でも一人称がほとんどだし。
 一人称に苦手意識のあるオイラとしては、今回受賞となった三本を見て、テンポのよさというものを感じました。というか、情景描写がわりと少ないんですよね、どれも。描写を減らしてでもテンポ優先みたいなところがあるように感じられました。そこらへんは、もっとも口語に近い文体であることと不可分ではないのかもしれません。
 あと、主人公にしっかりとした変化量が規定されているのが印象的でした。オイラなんて、「学園のアイドルでなくほんとは幼なじみが好きだった」という変化量とか、とにかく少ない/しょぼい変化のばかり送ったんだもんなぁ。話のスケールってなにで決まるかと言うと、いまのオイラは「主人公の変化量」だと思うんですよ。だから、いかに70枚という少ない枚数で、長編並の変化量を書けるかということが、ある意味のポイントなのではないかと思います。


 最後にキャラクターについて。最近、好感を持たれるキャラクター像というものについてちょっと気にしだしたんで、今回「好感度」ということに注意して読みました。
 オイラの書いてきたへたれって、とにかく言いわけ的自己主張が多くてウザいやつが多かったんで。それを改善したいという気持ちから、好感度を気にし出したんですけど。
 そのなかで、銀賞の自己主張抑制についてはある程度参考になったという気がします。しかし、金賞大賞については、主人公が一定のレベルでウザかったかなぁと。まあマイナス→プラス系の成長ストーリーをやろうとすると、どうしても序盤の主人公ってウザくなりがちなのかもしれません。
 ヒロインとの恋愛話をある程度やりたいなら、やっぱり最初はうまくいってないほうがベターですかね。「ラブラブ→もつれ→再ラブラブ」みたいのはだめですか?