「村上かつら短編集」1巻・2巻(村上かつら/小学館)

村上かつら短編集 1 (ビッグコミックス) 村上かつら短編集 2 (2) (ビッグコミックス)

 成らないことはどうしたって成らない、っていう意識の線引きがどれにも強く出ているのは、どうなんでしょう。オイラなんかは、そうした数多のことをあきらめたなかで、たったひとつだけ、一念を通させるみたいな充足型の話をよく書いてきましたが。
 なんでもできると思って育ってきたのが、なにものにも成れないと気づく過程までの話のほうが、青春ストーリーとしてはベターなのかもしれない。リアリズム、って観点においてね。