「あのころ、白く溶けてく」(安永知澄/エンターブレイン)
デビュー以来描いたものを集めた短編集。読了。序文がゴチエイ、巻末が師であるしりあがり寿氏との対談という出来。ゲストにまずビビる。
もちろん、ゲストが来るだけの出来ではあるんだけど。
普段ならいろいろ言わなければならないことがあるんだけれど(「作ってる感」の話とか、漫画のポップカルチャー性とか)、時間をとるのでパス。
ひとつだけ、本書の168ページにある、以下のモノローグに言及しておく。
十七歳の環境がすべてではなかったよ と
そういう、「なにもしなくても絶望的な環境は変わっていったよ」みたいなメッセージはちょっと……
環境は、なにか動いていかないと変わらない。そして結果、変わった環境が前よりいい環境であるとも限らない。
俺みたいな、たいして17のころと変わらない底辺の環境を生き続けてるやつもいるんですよ。動く勇気が持てなくて。