第11回電撃大賞

 いきなり愚痴めいたものはちょっと……と自分でも思ったんですが、ネタもないので書いてみます。


 早い話が、俺は一次で落ちたわけで。
 が、ネット界隈で早くもさらされている今回の一次落ちのものを見ていると、文章力は充分あるものがけっして珍しくないような印象を受けます。
(もちろん、絶望的に技量の足りていないものもありますが)


 小説新人賞の一次の通過基準というと、よく言われるのが「日本語になっているか」どうかということですが、どうみても日本語になっているものでさえ、今回の電撃では落とされた、ということなのです。
 応募総数や昨今の電撃レーベルの勢いからして、賞のレベルが高いことは理解も納得もできるのですが、結果的に、そのレベルの高さが一次選考においても高次な判断を迫った、ということなのではないでしょうか。日本語以上のところへ踏みこんでいった、という。


 こんなことを書いてなにが言いたいのかというと、俺の落ちた原因はよーするに題材が悪かったのだ、という自省話なんですが(笑)
 自分のまわりの反応から考えて、今回送ったものは「日本語」はもちろん「小説」としてもきちんとした体裁をなしていたと思います。となると、問題は「題材」か「キャラクタ」だろうな、と考えるわけです。
 だって、今回落ちた話がどういう話だったかっていうと、「お互いに一歩が踏み出せない両想いの幼なじみが、トラブルに巻きこまれて成長し、一歩を踏み出せるようになる話」ですからね。しかもそのトラブルってのが、美少女なんてものではもちろんなくて、宇宙人だったり。
 ――21世紀のセンスじゃないよなぁ。


 このレーベルにこの話が収められて(文庫になって表紙絵がついて基本フォーマットのデザインになって)、似合うか――を考えたときに、今回の話はさすがに似合わないと自分でも思います。それは送る前からわかっていました。それでも送ったのは、まず一次なるものを一回通ってみたかったからでして……。小説としての体裁が、自信を持ってはじめて整った、と思えたモノだったんですよね。
 一次は技量のみを見るところだと考えていたので、俺は今回一次は必ず通ると思っていました。自信らしい自信なんて持ったことない俺がそういう心理になったというのは、かなりすごいことです。
 ですがやはり、似合わないものを送っても意味のないことだったようです。題材としての面白さ、レーベルが求めている面白さのベクトルとは一致しなかったということでしょうか。


 ともかく、この反省を踏まえて、次の機会以降はもっと違ったものを書いてみようかと思っています。
 キャラクタの勢いを重視したりとか。サプライズ重視とか。ベタベタの恋愛トークをさせてみるとか。
 もっとも、俺の一番の弱点は「キャラクタ」だったりしますが(泣)