「幻影博覧会」1巻(冬目景/幻冬舎)

幻影博覧会(1) (バーズコミックス)

 大正・帝都とくれば十二階(凌雲閣)。1話目からツボを押さえてあるのはさすが。
 冬目さんはやっぱり落ち着いた喋りのヒロインをやると抜群にうまい。ぶっちゃけ、オイラが書く「非かしまし系」の女の子は、モロに影響を受けてます。
 真夜ちゃんの服が途中でウエイトレスみたいなのになったのは、どうなんだろう。賛否両論ありそう。

「アカシヤの星」1巻(たくまる圭/小学館 isbn:409188511x)

 多国籍タウンとか書いてあるけど、明らかにアジアンテイスト狙い。そのほうが、弱者たる外国人を描くのに都合がいいのは確かだけど。というか、日本だとアジア街と白人街とがくっきり分かれちゃってるから、こう描くしかないのか。
 オイラが、たくまるさんのなにが好きかっていうと、中身の愚直さです。聡明じゃなくったって、ヘタレなりに考え悩みながら進んでいく。その愚直さ。失敗をあざ笑うのではなく、失敗からステップアップしていくことの大切さ。2ちゃんねるはともかく、マスコミでさえ人の揚げ足取りに終始している昨今、それはもはや理想主義としか言われないものかもしれないけれど。物語のなかくらい、理想に生きさせてほしいと願ってもいいでしょうよ。