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クロッシングマインド 第2章

2 遠くのほうで、みみずくの低い鳴き声がした。 亮介は首を木の根に預けて、頭上を見上げていた。枝葉はその影を複雑に入り組ませ、夜空をバックに奇妙な模様を描いている。 規則正しい寝息がそばから聞こえている。 眠気を潰すため、亮介はまぶたをつねっ…

兄妹だもの

「ごちそうさま」 そう言って、まだシチューが半分以上残っている皿を、祐樹は流しへ運びだした。 朋香はそれを、怪訝な目つきで眺める。 「ユーキ、はらいた?」 「そうじゃないけど。あんまり」 手を顔の前で振って、祐樹は否定する。祐樹の眼鏡に、肌色が…