先日、図書館で本を立ち読み(借りずに館内で読んでたということ)していたんですが、そこで面白いものに出会いました。
 文庫本の中ほどに、メモが挟まっていたんです。
 しかも内容は、明らかに私信。詳細は省きますが、「お前が前言ってた――」という文言から冒頭始まっているメモでした。
 もちろんオイラ、抜き取らずにそのままにして棚に戻しましたが。
 こうやって図書館のマイナーな本を中継地にして交信しあってるっての、なんかステキですよね。携帯電話全盛の時代だからこそ、失われつつあるこういうロマンチズムがたまらない。
 昔は個人と個人が頻繁に直接コミュニケーションを取るとかありえなかったんですよね。電話は家のものしかなくて、相手の家にかければたいてい親御さんが出て。オイラも少年期には携帯電話なんかありませんでしたから、こういう体験はばっちりあるんですけど、見知らぬ大人と会話をするというのはすごく緊張を憶えました。
 オッサンになって思うのは、こうやって当時の親たちは子どもの交友関係を把握していたんだろうなぁ、という。いろいろうまくできているものです。