菊花賞

 まあオイラは一応「サムソン3冠は充分ありえるのではないか」という立場にいたので、結果を総括する上では「誤算」について語らなければならない。
 アドマイヤメインの大逃げは、実は予想通りだった。武豊は逃げ馬に乗るとき、ああいう作戦を取ることがままある。誤算は、誰もアドマイヤメインを追いかけなかったことと、そのおかげでアドマイヤメインの足がいいところまで残ったことにあった。
 いやお前仮にもダービー2着馬のスタミナを軽視するなよと言われるかもしれないが、オイラも1頭きりで逃げると知っていればそんな軽い考えは持たなかった。まさか本当に誰もついていかないとは思ってなかったのだ。結果、サムソンは目いっぱい追って捕まえにいかなければならなくなり――それは彼本来の競馬のスタイルではなかった。好位につけ、相手と楽に並んだところからが強いスタイルの馬にとって、捕まえにいくまでに時間がかかってしまってはこれはもうどうしようもない。
 しかし勝ったのが幸四郎とはね。こいつは本当にこういうドサクサ的な勝ちかたの似合う男だ。兄が大逃げでレースを崩し、弟が勝利を掴むとは。ある意味兄弟に負かされたようなものだなサムソンは。セイウンスカイのレコードが破られてしまったことについては残念ですが、エルコンがラストクロップでなんとかG1馬を出したってことは非常にいいことだと思う。
 ノリはまたまたまたまた菊2着か。狙ってやってるなら天才だろう(苦笑) まあドリパが勝っても素直に喜べない(高田の件で)感じだったので、ノリには悪いけどこの着順は1番個人的に(ドリパに関しては)いい塩梅だったかなぁと。