露鵬、カメラマンに暴行し3日間出場停止

 具体的な実例をあげて話したほうがわかりやすいと思うので、そうしますが。
 現在幕内下位にいる豊真将という力士の取組後を見てください。彼はどんなときでも――ぶざまな負けかたをしても立ち会い変化されても微妙な感じだったのに物言いがつかなかったときでも、必ず深く頭を下げてから土俵を降ります。彼は寺尾の錣山親方が初めて育てた関取なのですが、非常に寺尾の教育は行き届いていると言っていいでしょう。昨今、彼ほどきちんと礼をする力士は(嘆かわしいことですが)ほとんどいません。
 世間的には、相撲は(最近の力士の国際化傾向もあり)K-1やPRIDEのような格闘技であると思われているかもしれませんが、それはまったく誤りです。相撲は正確には相撲道であり、柔道、剣道、合気道などと同じカテゴリなのです。それらの武道では果たして、最強でありさえすればよいという教えを説いているでしょうか。
 相撲は精神性を説き磨く武道なのです。そのことは、部屋、力士を預かる親方なら当然理解しているべきことであり、教育として弟子に施さなければならないことなのです。ましてや、武道の精神に触れた経験の乏しい外国人の弟子ならなおさら気を払わねばなりません。
 そういう意味では貴闘力は軽蔑されてもしかたがないし、寺尾はもっと賞賛されるべきと考えます。