で、なにげない感じであらすじを出す。今回からはテーマを変えてみた。

4「愚か者の性分」
 あまり裕福ではない村で育った主人公。かわいい恋人と青春の日々を費やしたりしてそれはそれで幸せなのだったが、男子としての充足感というものがなかった。主人公は恋人を置いて、遠き都へ旅立つ。目的は仕官。ただ主人公の身分では仕えることはできない。主人公は身分を偽って、なんとか仕官する。
 都で仕事に励む主人公。しかし主は主人公よりも若く、いまいち主人公は忠節の目で主を見ることができない。そんななか、主人公の素性がバレてしまう。素性を偽って仕官した罪で処刑されかける主人公。だがそれを主は引き止める。主は主人公の働きぶりを評価していた。結局身分詐称は嘘情報だったということになる。命の危機を救われたことで、主人公は主のことを見直し、尽くそうと思うようになる。
 仕事に身も入るようになり、どんどん給金も増えていく主人公。ようやく恋人を呼び寄せることもでき、村を出て以来はじめて幸せを満喫する。だがそこへ、隣国が攻めてくる。いかんせん相手の数が多すぎて、かなりの劣勢。主人公たちは都の端まで追い詰められる。その夜、主は主人公ら家族を持つ者全員に逃げなさいと命令。主人公の恋人もまた、ともに逃げようとせがむ。彼女は妊娠していた。しかし主人公は、主のまだ小さい背中をどうしても置いては行けなかった。眠っている彼女に書置きを残して、主のもとへ戻る。
 結局ふたりとも死に、国土は隣国の支配下に入った。恋人は都の郊外で子どもとともに暮らし、主人公のあの世での安寧を祈って生き続ける。

・立身出世を望む主人公。身分を偽って仕官する。そこで主に危機を助けられ、惚れこむ。
・出世もし、恋人を呼び寄せる。しかし戦争が起こる。劣勢。
・逃げられるかどうかの瀬戸際。主人公は恋人に逃げようと言われる。妊娠の告白。だが主人公は主を見捨てられなかった。
・主人公散る。国も滅亡。一方で恋人とお腹の子は無事に生き続ける。


考えた面白さ:信念を貫く姿はカッコいい
変化量:仕官した主人公が主に惚れこみ、最期までついていき、死ぬまで。


 まあ最初はベタから手をつけてみないとってことで。しかしベタとはいえ妊娠ネタまで踏襲しないでもいいだろうという声は聞こえてきそうですが。
 この手の話は昔からもてはやされてる。負けるとわかっていても、死ぬとわかっていても、その人には成さなければ/貫かなければならないものがあるという。
 一種のあこがれなんだろうな。現代の普通の人間には、命以上に架けられるものというのはないから。
 こういう話の場合、はじめから意志というか意識がしっかり固まっていることが多いので……いわゆる葛藤に関しては外部に機能を委託することが多くなる。つまり、恋人なり家族なりを配置して、彼らに「揺らがせ」をやってもらうわけだ。そうすることで、「進む」主人公と「進んでほしくない」彼らとの間で、対立項ができる。これが外部擬似的な葛藤になるわけで。
 ただオイラの場合、はじめから固まったままラストまで行く人間を主人公にすることにどうしても違和感を覚えるので、主に惚れるのを作中に入ってからにしてしまいましたが。


 ……というかあれだな。オイラ「かわいい」はわかるんだけど「カッコいい」はの認知能力はかなり欠けてるかもしれない。たぶん日本人の平均以下。参ったなあ。