お世話になっていた投稿サイトが閉鎖してしまった。
 ショックはショックなのですが、ここ一年の自分があのサイトの活性化にまったく貢献していなかったことを考えると、ショックを受ける権利は自分にはないような気もする。存続に努力した人間だけが、本当に残念がれる資格を有しているはず。


 俺があそこであまり感想を書けなくなった理由は、俺の持っている感想の書きかたでは書けない作品が多くなったためです。具体的にいえば、ラノベ(もしくはそこらあたりに近しいもの)を志向している小説じゃないと感想が書けないんですね。俺は。けれどもあそこに投稿されるものにはだんだん、文学系統のものが出てきたり、あるいは童話調のものまで出てきた。
 もちろん多ジャンル化したことがよくなかったとか、そんなことを言うつもりはありません。ネットのたゆたう流れに身を委ねればこそ、そうした多様化の方向性に進むことは自明のことでしたし。
 今回閉鎖したサイトの妹にあたるサイトが現在までもラノベ専門みたいな方向性を維持できているのは、現役ラノベ作家が感想を書き、うちひとりは運営に深く携わっているからですしね。明日はどんな風が吹くかわからないこのネットの大海において、方向性を意図的に定めようとするなら、それぐらいの強権が必要であるということです。


 ジャンルが違えば、なにを重点的に評価するか、ということが大きく変わってきます。取り上げるポイントもまったく変わってくることもあるし、時にはジャンルが違うだけで同一部分の評価が正反対になってしまうことだってあるでしょう。
 そういうものをこなしていく起用さというものが、俺にはなかった。
 むろん、それはただの尻ごみであったとも言えるでしょう。たぶん管理者は、そうしたことを越えてとにかく感想が来ることを願っていたはずですから。けれども俺は誤った感想で書き手を困惑させることを怖がった。
 他の人たちがあのサイトからだんだん離れた理由は知りません。しかし俺に関しては、そういうことです。


 なんか関係者でもないのにエラそうなこと書いてますね。すいません。というかここで書くことじゃなかったか。管理者のうちふたりがここ見てるはずだから――ということを理由にして、ここで書いてしまいましたけど……