とかく殺伐とした、このテキストサイト界。
 血で血を洗う論争、中傷、罵倒合戦、妄想電波……誰も周囲の視線に怯え、常に背中を気にしながら、大海に向けて言葉を紡いでいる……そんな世界。
 この状況を憂うある男が、考えた。


「そうだ。敬称を愛らしくすればいいんだ」


 ○○さんだの××氏だの、そんな形式ばった呼びかただから、みんなどこか壁を作ってしまうのだ。
 これからは「○○おにいちゃん」「××おねえちゃん」と呼び合えばいいのだ。
 そうだ。きっとそれなら。


 この試みは、しかし失敗に終わった。
 なぜならば、みんな照れすぎてモノが言えなくなり、会話が成立しなくなってしまったからである。
 しかし、あえてオイラは言おう。べたべた甘えられる年上の姉兄的存在がほしかった、と。