星船のことですが。
 いまから思うと、元貴の性格が極めてガキ――子どもっぽかったということが、子ども時代の終わりを描こうとした作品のテーマと案外マッチしていたということは……あったかもしれない。
 終焉していく子ども時代、その残り火の象徴として元貴がああいう性格を背負わざるをえなかったというのなら……というか、こういうガキ的な性格の人間を使おうと決めた時点で、俺はごく当たり前のこととして、子ども時代にかかわる話を書こうとしていたんだけど。だってそれ以外のフィールドでは、ああいう性格の人間は存在を許されないから。
 残り火の象徴とか、そこまでの意識化はできてなかったなぁ……。そこはまぁ、結局「甘え」から出来た話なのか。