「とくべつな日」(流星ひかる/久保書店)

とくべつな日

 装丁の紙が豪華。しかもなかなかデザインも秀逸。セーラー服の良さの本質はスカーフにこそありと思っている者にとっては、最高の表紙であります。うんうん。さすがセーラー好きを公言なさっているだけのことはありますね。
 ずっと流星さんを追っかけてきたオイラですけれど。相変わらず、いい話を書きます。背の高いことをコンプレックスにしている女の子が、好きな相手との会話を通じてこれまで解放してこなかった「女の子らしさ」を解き放ったりとか。
 丹念に丁寧に心情を追って、せつなく、淡く、甘く――オイラみたいなおっさんが思春期を恋しがってしまいたくなるような、幸せな交わり(体だけでなく、心も)。互いに勇気を振り絞る男の子と女の子の、二度とは作り出せない想いの昇華形というか。
 流星さんの良さは「キャラクタの前進しようとする力」を描けることではないでしょうか。


 次回は「ヨイコノミライ」2巻について書きます。