大関栃東引退

 どんなスポーツにも「ケガさえなけりゃ……」と思わせる選手はいるものですが、大相撲におけるその代表は、近年ずーっと栃東だったと思います。
 度重なるヒザや肩の故障が、彼の力士人生を大きく変えてしまいました。体調万全で相撲を取ったときには朝青龍にもけして引けを取らない相撲を取れていたことはみんなよく知っていましたし、だからこそ期待のまなざしをずっと注いでいたんですが。
 まさか魁皇より先に辞めることになるとはねぇ。
 おっつけの強さで技能賞7度、2度も大関から転げ落ち、2度とも復帰した唯一の力士も、脳の病気だけにはついに打ち勝てなかったという。
 ただいまは、素直に、おつかれさまでしたとだけ。